そして事件のあと・・・
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→【昔話】パチンコ屋でバイトを始めたきっかけ。そしてクビになるまで・・・【中編】
えんおう、H君ボッコボコ事件から約1週間ほどして事態は動きました。
ある日大学帰りに覚えたてのニューパルサーを打っていた時に私の携帯に1本の電話がありました。
見たことない番号だな、誰だろう?
そう思い携帯に出ると・・・
「私◯◯と申します。I店でアルバイトをしているえんおうさんですか?」
そう、どこからこの事件が漏れたのか分かりませんが、本社から電話が掛かってきたのです。
本社の方が言うには、店長がバイトに暴力を振るったと聞いた。
会社としての対応を検討したいので当事者である私に本社に来て詳細を説明して欲しいとのことでした。
あいにく指定された日はバイトが入っている事を説明すると、店には本社から説明しておくからバイトには行かなくていい。その分のバイト代も払うので本社に来て欲しいと言われました。
断る訳には行かないので、指定された日に本社まで行くことにしました。
学生だったえんおうさんは「会社」という所に行ったことがないので本社前まで来て緊張しました。
本社に入り、受付で会議室の場所を教えてもらい向かいました。
会議室の中に入ると、本社のお偉いさんが数人おり、すごく緊張したのを覚えています。
本社にて事情を説明
私は事件の詳細をお話ししました。
私とH君が閉店作業中にトイレでタバコを吸っていたこと。
それを見つけた店長に殴られたこと。
しかし、悪いのは自分達なので特に店長に対して何かして欲しいとは考えてはいないことなど。
全て正直に話しました。
すると本社の方は言いました。
「たしかに閉店作業中にタバコを吸っていたことは良くないことだ。
しかし、殴ったり、蹴ったり、暴力を振るう必要はないはずだと。」
私はたしかにその通りだと思いました。
それに関してどう思っているか聞かれて少し考えてしまいました。
私は答えました。
「確かに暴力は良くないと思います。ただ悪いのは自分です。仕事中にサボってタバコを吸っていたのは事実です。店長が怒るのも当然だと思います。」
続けて言いました。
「しかし、私は数発しか殴られていないのでそう言えるのかもしれませんが、H君に対しての暴力は酷すぎると思いました。H君は数日寝込んでいたとも聞きましたし、バイトも辞めてしまった。H君に対してはやり過ぎだと思います。」
すると本社の人は
「君の言う通りだ。何があっても暴力を振るってはいけない。正直に話してくれてありがとう」
こうして私は本社を後にしました。
私は店長に対して悪いことは言ってしまったかな、とも思いましたがH君に対してはホントにやり過ぎだと思っていたので正直に話してスッキリしていました。
そして数日後・・・
当時の店長、役職の一部の方が揃って移動になりました。
あっ、俺が本社で話したせいだ。
そう思いましたがもう今更何も変えることはできません。
まっ、しょうがないか。
割とあっさり受け入れました。
こうして新しい店長、役職がやって来た訳ですが、当然事件の事は知っているだろうし、最初から新しい店長や主任には嫌われていた気がします。
スロットコーナーが増設され、お店は忙しい毎日でした。
前から残った社員さんなどとは仲が良かったので、疲れた顔をしているとスロットコーナーの担当にしてくれたりしていたのですが(パチンコ屋で働くとスロットコーナーの方が圧倒的に楽なのです)、新しく来た主任から、お前はパチンココーナーへ行け。と言われてパチンココーナーに行かされることがしばしばありました。
(これは本格的に嫌われているな)
そう感じました。
そしてしばらくしたある日、
この日は私は休みの日だったのですが、お店から電話が掛かってきました。
どうやら遅番の人が足りないため、今から来て欲しいとの電話でした。
普通ならバイト代が増えるので出勤するのですが、この日は風邪を引いて熱もあったのでとても働ける状況ではなかったので仕方なく断りました。
そして次の出勤の日にいつも通り店に行くと店長から言われました。
お前はクビだ!
はぁ!?
どうやら前回出勤しなかったことで店長の機嫌を損ねたようでクビを言い渡されました。
しかし、納得できない私は店長に言いよりましたが、無駄でした。
「早く帰れ」
さすがに私もブチ切れて事務所を出ました。
そして更衣室で荷物をまとめていると一連のやり取りを聞いていた主任がやって来ました。
(何かイヤミでも言いにきたのか。)
私はそう思いました。
すると意外にも主任はこう言いました。
「いくら店長でも大した理由もなく君をクビにする権利はない。俺が話を付けるから今日は一旦帰って次からまた出勤しなさい」
とても意外でした。私の事を嫌っていると思っていた主任がこんなことを言ってくれたのです。
私は正直嬉しい気持ちになりましたが、こう言いました。
「主任がそう言ってくれるのは凄く嬉しいです。でもあの店長の元で働きたいとはもう思えません。今日限りで辞めさせていただきます。」
続けて言いました。
「辞めてからどれくらい経ったらこの店に打ちに来てもいいですか?」
主任
「最低でも1年くらいかな」
それを聞いて私は言いました。
「じゃあその内パチプロになって店に打ちに来てバカ出ししてやりますよ!お世話になりました。失礼いたします。」
こうして私のI店でのバイトは終了しました。
この時私が主任に言ったセリフがまさか現実になるとは、この時のえんおうさんは思いもしなかったのです。
その後、この事件で他店舗に移動になった副主任から連絡があり、その店で働かないかと誘っていただきましたが、家から遠かったのでお断りしました。
そして別のパチンコ屋でアルバイトを始めることになったのです。
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